yurico’s note

BLイズマイライフ♡BLのこと。感じたこと。時々日常

BL小説を彩る神絵師たち

 

 

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本日のテーマBL小説を語る上でとても重要な存在。小説の表紙を彩る「神絵師」様方の紹介と存在意義についてです。

新人作家にとっても、筆力人気を兼ね備えている作家にとっても、読者の購買意欲を掻き立てる「表紙」は命といっても過言ではありません

以前の記事でも少し触れましたが、漫画は表紙に騙される確率が多い。
そりゃそうですよね。表紙ですもの。渾身の力を込めて描きますよね。でもページを捲ると「ちょっとーーー絵面違うじゃん!!!」ってなる事が何度あったか(涙目)
ですので、お初の漫画家さんの神的表紙は慎重に吟味しつつ購入しております。まあそれでも未だに騙されるけどね笑。

言わずもがな小説は表紙イラストの他に挿絵が入ります。
カット数的にはどれくらいかな・・・7・8枚位?
読者は表紙と挿絵により想像力を駆使して目にしたキャラクター達が脳内で動き出し物語を紡ぐのです。

漫画や小説を買う時にレビューってある程度の指針になりますよね?
ご存じかもしれませんが漫画と比べると悲しい事に小説のレビューって圧倒的に少ない。これは単純に漫画より小説を読むBLファンが少ないと言う事でしょう。悲しみ・・・
なので漫画においては重視しないレビューも小説に関しては結構読んだりします。そこでちょっと昔ですが、とても印象的なレビューを目にしたのです。

小説はすっごく面白いんだけど絵がひどくて評価を落としてる。表紙だけ見て読まない人がいると思うのでイラストレーターを変えた方がいい」と言ったなかなか苛烈な内容。


これがね1人だけではなく複数名が同じ意見を述べられていたんです。
正直私も「同感」と思わざるを得ない絵ではありました。もちろん作品名は申し上げれません。でもかなり人気のある小説とお見受けしております。シリーズ何作も出てるし。ちなみに私はこのレビューが強烈過ぎて手を伸ばせませんでした(意気地なし!となじって頂いてかまわない)

そして!なんと!!驚くことに実際イラストレーション変わってるんです。民意と言うか読者の意が出版社を動かしたのか?真実は分かりませんが、それだけ小説にとってイラストって重要って事ですね。

 

私の持論

売りたいなら金積んででも上手い絵師に頼むベシ!!!   (←言い方)

 


BL小説界における神絵師様方

 

神達の中でも「top of top神絵師」といったら間違いなく

様でしょう(そりゃカラーにもするわよ!)

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笠井あゆみ=耽美

耽美=笠井あゆみ

 

かつて高校生だった頃、BL雑誌「麗人」を書店で買う時のドキドキ感たるや。笠井あゆみ様の表紙がもうほんとに耽美で・・・真剣な話「麗人」を田舎の書店で買うって・・・30年前は中々の勇気が必要だったよ?
ネットで色々買えるイイ時代になってほんと良かったねぇ~

笠井あゆみ様はほんとにBL界の柿右衛門!国宝レベルですよ。大事にしないと。でも知ってました?耽美だけでも合掌なのに・・・笠井あゆみさんの描く子供や動物が号泣レベルに可愛いのーーーー(泣)

 

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同じ時代に生まれてくださってありがとうございます(涙)

 


奈良千春さま

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奈良さんも神ね。私が敬愛する作家さんの小説も数多く手掛けていらっしゃいます。特に夜光花さんの薔薇シリーズ・神シリーズ・騎士シリーズはもう土下座するしかない。これからもよろしくお願い申し上げます。血族シリーズも引き続き期待しております!

 

yacoさま

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独特の世界観がありますね。万人受けする絵面ではないけど(私見)引き付ける魅力のある絵師さんです

 

さま

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とにかく上手い!筆力最強!細かいディテールと文字通り鮮やかな色彩。神だね神。制服のイラスト集描いてほしい(真顔)絶対買います!!

 

葛西リカコさま

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ちょっと線の細い神経質そうな美人を描かせたら天下一品!正に凪良ゆうさんの「美しい彼」が多くの方に読まれたのは葛西リカコさんの表紙が後押しした部分も大きいのでは、と個人的に思っております。

 

イラストレーションも秀逸な漫画家神絵師様方

イラストレーターを主にされている絵師様もいれば漫画家として活躍しながらイラストもされている絵師様もいます。次の神々は漫画家さんです。


座裏屋蘭丸さま

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なんというか・・・われわれを一発で黙らせる美麗な絵はもう芸術ですね。漫画のストーリーも世界観もエロスも素晴らしい。稀有な描き手様です(※トップページのイラストは小説イラストではありませんが座裏屋さまの作品です。うっとり)

 

木下けい子さま

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イラストは上手いけど漫画はイマイチと言う方も多い中。漫画も最高。イラストも最高と正に文武両道なBL界の宝。出版関係者へ申し上げる「新人小説家のデビュー作は木下けい子様に依頼を!!!」※前記事にもしておりますが「好きで好きで(安西リカ)」の表紙が一番好き♡

 

草間さかえさま

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草間さんはなんというか本当に魅力的な作家さんだと思う。正直、絵の上手い作家はもっとたくさんいる。けれどこの草間さかえさんの「奥深い味」は誰にも出せない。漫画もそうだしイラストもそう。好きです

 

最後に
どれだけ内容が素晴らしくてもパッケージがイマイチだと手に取らないですよね?
それは本に限らず全てに対して言えると思うんですよね。お料理だってキレイに盛り付けられていた方が美味しそうに見えるしね♪まずは興味を持ってもらうためには何が重要か?まずは目に留めてもらう為にはどうしたらいいのか?
BL小説を多くの人に読んでもらうためにも素敵な表紙を!!!出版社様。何卒宜しくお願いします!!!(熱っ!)
そして神絵師様方へ心からの感謝と今後の更なるご活躍をお祈りして終わります

オススメBL小説編③好きで好きで(安西リカ)

 このブログでは「是非に読んで頂きたい」と思うオススメBLを紹介しております。
オススメBL小説編③本日紹介するのは・・・実写化にしたらいいのは?と思うわたしくが大っスキな小説(好きなのしか紹介しませんけども笑)
何回読んだか分からないわ~ってか、今も読みます♡

 


好きで好きで安西リカディアプラス文庫(新書館)2014.8

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やっぱり木下けい子さんのイラストが最高にあってる♡

登場人物

・志方文明・・・大手銀行員28歳       ・穂木啓・・・経済誌の編集者28歳 

ストーリー

付き合って十年になる恋人の志方のことが、今でも好きでたまらない穂木。
高校卒業間際、 親友だった志方に玉砕覚悟で告白した。思いがけず受け入れられ、それからずっとそばにいる。
けれど志方は将来有望なエリート銀行員、自分は一介の編集者。
実は外国研修の話を志方が断っていたことを知った穂木は、 自分が彼の出世を妨げているのではないかと悩み始め……?

  

安西リカプロフィール

第26回ディアプラス・チャレンジスクールで編集部期待賞受賞。
新書館より「好きっていいたい」でデビュー。属性は、同級生や年下攻め。 色っぽいのにどこか可愛げのある、小悪魔系年上受け多し


 ■ ココを推す

両想いになるまでの過程じゃなく、付き合って10年目のカップルのお話。余裕のある大人の恋愛話かと思いきや、10年経っても「好き」が枯れない恋人同士の先にあるものに対する葛藤がリアルに感じられました。
安西さんの「切ない心理描写・エピソードも良い意味で重くなり過ぎず心に残す」高度なテクニックを評価しています。甘いんだけど甘過ぎず・切ないけど切な過ぎない。この絶妙なバランスがすごく良い。上手い作家さんに共通してるのは「シンプルで読みやすい事」ですね
BL小説初めて読む方には本当にオススメの作家さんです。


・公言してらっしゃるけど一番好きな設定が同級生ということで今作は正にその設定。
しかも「10年愛」しちゃってるカップルですもね。
志方が好き過ぎて空回りしたり、身を引くべきなんじゃないかって葛藤する穂木が切ないんだけど何か可愛らしいと感じてしまうのは年齢のせいでしょうかね。

地味だがよく見ると男前というのが一番いいと思う。
怒った表情が似合うともっといいし、さらに実用本位のがっちりした体格で、口数少なく、ぶっきらぼうで、でも案外優しいという男が一番いい。要するに志方だ

はいはい。ごちそうさま。

 

魅力的な登場人物たち
たくさんBL読んでますけど「結婚するならこんな人」でいうなら志方氏NO1かも?穂木に言わせると口数少ないし顔怖いし表情3パターンしかないけどね。
ネタバレですが、志方の同僚女性(仕事も出来、性格も良い)が登場します。
彼女は志方に好意を寄せていて、それを知った穂木は志方の事を本当に思うのなら自分が身を引くべきだと考え別れを告げますが、その女性とは友人関係になるんですよね。志方に恋してたんだけど、最終的に「志方君はいいなあ~穂木くんみたいな彼氏がいて」と羨ましがられるという・・結果ね、志方も穂木もすごくイイんです。実際いたら絶対モテるよ。そんだけ魅力的なキャラクタ達ーです。


なんと!続編あります♪


恋みたいな、愛みたいな(好きで好きで②)」
ディアプラス文庫・新書館 2017.4


「好きで好きで」の発売から約3年後に出版されたって事は「続きを書いてほしいと要望が多かったからでしょう。やっぱり読者の声が動かすってことなんですね。感動!

 あ~志方と穂木がおじいちゃんになるまでを書いて欲しいわ。
 安西リカさま、お願いしますーーー

私がBL小説を愛する理由(ワケ)


BLが好きです。もちろん漫画も大好きだけど、特に小説を愛してます♡。
気に入ったものは本・ドラマ・映画と変態的にしつこくリピートする性質なので
BL小説は無限に楽しめるスルメのような存在です。


しかし、小説は漫画と違って「買おう」と思わせるにはハードル高めですよね(これはBLに限らないとは思いますが)価格帯も漫画が500~700円位に対し、600~900円位と、小説は漫画よりややお高め。
漫画はストーリーがイマイチでも絵が素敵ならカバーできるし、逆に絵がイマイチ・好みでなくてもストーリーがしっかりしてるなら無問題だし。言い方が美しくないけど漫画はお手軽に読めるのがいいですよね。でも一番の難関は、小説を読む習慣がない人にとっての小説って「さあ読むぞ!」って気合のようなものが必要な部分だと思われます。

実際、書き手の方には大変申し訳ないけどもお金払ってでも読みたい!!!と思わせる作品は多くないのかもしれません。ぶっちゃけ、金返して貰いたいわって思う作品に出会う事もある(言い方)※好みじゃなかった=面白くなかった。ではありませんのであしからず
もちろんそれは漫画でも小説でも同じですけどね。

でもでも、だからこそ小説を読んで欲しい。
上手い書き手の小説はほんと素晴らしいから( ノД`)

登場人物の声や情景、物語を頭の中で思い描くって最高に楽しくないですか?笑
それらで散々楽しんだ上に私は断然、小説のリピート率がハンパないのでコスパ最強やん!と、こうなるわけです。

 

結論

私がBL小説を愛する理由コスパがいいから←えっ

でもそれは素晴らしい書き手のみの話です!

BL小説においては、まず気に入りの作家さんをまず1人見つけるといいと思う。そうするとそこから派生すると思います。
人はそれぞれ好みがあるので絶対ではありませんが「レビュー」はある程度の指針にはなりますよね。私は大好きな作家さんが固定されてるので迷わず作家買いします。
お初の作家さんや、他作では今ひとつだったけども今作は良さそう~とか興味を持った場合は腐女子のバイブル「ちるちる」をチェックするかな。今は販売サイトで試し読みが出来るのでそこは外せませんね。

私が敬愛するBL小説家様の中には「一般文芸も出したらいいのに」と思う方々がいます。常々そう思っていた筆頭が今年度の本屋大賞を受賞された凪良ゆうさんですね
私もまだ手を伸ばしてない作家さんの中にも多才能に溢れた方がいらっしゃると思うんです。

B小説界をもっと盛り上げるために、BLファンの皆さま、小説も読みましょう~
そんなわけでこれからも自信を持ってBL小説をススメて参ります!
BL小説ファンの方が増える事を願って♡

おすすめBL漫画編① 永遠のボーイフレンド(吉池マスコ)

 

BL漫画を買う時って何を基準にされますか?
作家買いとか、シリーズモノの続きとかは別にして
初めての作家さんの作品を買う時って、みんなどんな感じなのかしら


表紙に惹かれて・・・って方もまあまあいると思うんだけど
私の中の鉄則→「ジャケ買いはするべからず
表紙が良ければ良いほどね!大抵面白くないから  ←こらーーー笑
BL漫画におけるジャケ買いのリスクについてはまた別途語るとして・・・

そんな鉄則に従ったとしても
どうしてコレ買ったの?と問われたら・・・
フレディ(腐貴人)の勘としか言いようがないわね。
その辺りに関しては根拠のない自信もってます(キリッ!)

というわけで今日おススメするBL漫画はコレです

 

 吉池マスコ・永遠のボーイフレンド
(2010.1バンブーコミックス麗人セレクション 竹書房
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5つのストーリーからなる短編集

 

ストーリー

小さな花屋を営む、顔はゴツいけど、心はオトメなみちるさん。惚れっぽくて、世話焼きな彼女(?)を慕って今日もたくさんの人々が店を訪れる。
店のバイトくんの先輩・克彦もその一人で、毎日店に顔を出しては、みちるに憎まれ口をたたいて帰って行く。克彦を見ているとなぜか懐かしい気持ちになる、みちるだったが…!?
みちる姉さんの切ない恋を描いた表題作他、麗人本誌で大好評を博した心優しきオカマのみちるさんシリーズが遂にコミックス化。
ツンデレ塾講師と大学生のぎこちない恋愛シリーズ作品と描き下ろしを収録した最新コミックス!!

 

そう。主人公は表紙の右側のイケメン。
ではなく左の髭のおじさんオネエさん、みちるさんです。

 

吉池マスコのココが凄い!

・エロとおバカてんこもりなんだけど骨太のストーリー。ほろりとさせるのがまあ上手い。バカしながら本質ついてくる天才ね。
「反社会的はみ出し者を得意とする」ってあるけどそのトーリです。
絵ははっきりいって美しいとは言えないし独特なので食わず嫌いする人もいるだろうけど、それ大損してますから!私を信じて騙されたと思って読んでみてちょーだい!!!
お金は返さないからあくまで自己責任でね。

 

特にオススメするのはこの2つのお話です。


変態花屋の息子みちるさんとヒロキの物語

・教会に捨てられていた赤ん坊を周囲から反対されながらも育てて20年。とっても優しい良い子に育った比呂樹ももう大学生。
ある日比呂樹は「みちるさんに紹介したい人がいるんだ」と言います。「いよいよ来るべき時が来たわ!!!」とドキドキのみちるさん。
比呂樹が連れてきた「紹介したい人」とは!?

 

永遠のボーフレンド若かりし頃のみちるさんとケンちゃんの物語

・誰しも胸に忘れられない恋があるもの。
最近店によく顔を出す、バイト生裕太の高校の先輩の克彦くん。
口が悪くて憎たらしいのに人懐っこくてなぜか憎めない・・・
惚れっぽくて世話好きで、お人よしのみちるさんの一生に一度の本気の恋のお話
永遠のボーイフレンド。泣けるわ。何度読んでも泣く・・・
みちるさん、幸せになってね


最後に

短編が上手い人ってすごいよね。吉池マスコ氏の他作品で「藤原征爾君追悼特集に寄せて」「お父さんは悩ましい」「彼と任務とセックスと」「ベイビー カム ヒア」も読んで欲しい。ちなみに永遠のボーイフレンドは10年前の作品です。今は少し絵面も変わって洗練されてらっしゃいますが、何年経とうと良いものは良いのよねぇ。

 

オススメBL小説編② 求愛前夜(凪良ゆう)

 

生まれ変わったらなりたいもの。

『本の編集者』
来世は本をたっくさん読んで編集者の仕事がしてみたい。

私は山田詠美さんが好きで彼女の本をたくさん読みました。小説はもちろんエッセイが大好きでね。山田詠美は私の読書における先生だった。
「好きな人が好きなものは好き」彼女は薦める本を夢中で読んだな。そんなエイミーのエッセイ「熱血ポンちゃんシリーズ」に編集者の面々がよく登場するものだから「編集者」という人達に注目するようになったのでした。
ちなみに当時の彼女の編集者でいつも登場してたのが「幻冬舎」の創設者で社長の見城徹氏 ご立派になられましたね。

 

編集者という仕事に惹かれるので、BLにおいても編集者との恋のお話がすごく好きです。「編集者」が出てくるお話って結構ありますよね。
一番メジャーな所でいくと「世界一初恋・小野寺律の場合」ですね※私が好きなカップルは「吉野と羽鳥」です♡
 

そして今回、激鬼オススメするのは!!!

そう、われらが凪良ゆうさん
求愛前夜(恋愛前夜②)」2014.4キャラ文庫徳間書店

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この作品は「恋愛前夜」(2011.11)という小説のスピンオフ作品です。
3年経過してるのですこーし、キャラが変わってる感はありますがわたくしこの主人公の「ヤコ先生」が大大大好きなんです。
寂しがり屋で可愛いモノが大好きで不器用で情にもろいオネエ。でも心は芯の通ったの男前なんです。オネエなんだけどね(2回言う)

そしてこの物語の黒いスーツの人です。もう一回いいます。受は黒スーツです!!!
ヤコ先生は金髪の人でオネエ攻めです。
 

え!ヤダ!こんな受はちょっと・・・この髪をゴム留めしてる金髪が攻め?
これは私ムリかも・・・

とっても分かります。かくいう私がそうでした。
凪良ゆう作品=良作だと疑いませんが「求愛前夜」に関しては食指が動かなかったんです。
黒スーツかあ・・・って(しつこい笑)

でもね・・・

読んでね・・・

土下座したよね

めちゃくちゃ面白いやん!!!

信じてる作家さんは事前チェックしたらいかんね。
先入観が邪魔する事もあるからね。

■ ストーリー

女子より女子な中高生の恋のカリスマ。けれど賞とは無縁の大人気少女漫画家・小嶺ヤコ(本名:山田貞行)そんな貞行の前に現れたのは新担当の貢藤。眼光鋭いヤクザ顔で、貞行の密かな憧れであるサブカル誌の元編集者。ラブリーな少女漫画を理解できるはずもないと思いきや貢藤は、ヤコの作品を熟知するばかりか、意外にもウブな恋愛初心者だった!恋より仕事優先の貞行も、貢藤のギャップに好奇心を煽られて!?

 

求愛前夜のココを推す  

一言でいうと・・・


ギャップ萌え♡


実はヤコ先生と貢藤の2人、以前の記事「凪良中毒へのいざない」で紹介した私が最も愛する凪良ゆう小説「おやすみなさいまた明日(2014.1)」にも登場しています。
確かにあの時もヤコ先生ってば男前だったもんね(貢藤の乙女キャラはまだ出ていない)

わたしの中での「BLの真の男前ランキング」1位は 凪良ゆうさん「2119  9  29」の阿部ちんだったんですが、阿部ちん危うしか!?

貢藤がどうして乙女心を封印してヤクザ顔になっていったのか?少年期~の話に吹き出し、同情します。好きなものを好きだって言えない辛さよ。長年の苦悩をヤコ先生に告白するくだりに注目してください

恋愛前夜のスピンオフなので、恋愛前夜ではヤコ先生の彼氏だった「トキオ」も登場します。恋愛前夜を読まなくても物語的に支障はないけど、是非読まれる事をおすすめします♪(どっちを先に読んでも大丈夫です)

 

今回は「ザ・恋愛」

ストーリーが面白いのは言わずもがな。
私はやはり「作家と編集者」の関係性という部分にすごく惹かれるし、作家の「生みの苦しみ・作品作りに対する作家の葛藤」の描写を興味深く読みました。
凪良さん自信がこういう風に思う事があるんだろうな~って、凪良さんの本音が垣間見れたような気がします。
凪良さんの小説には必ず心に響く言葉があるんだけどそれは案外、恋愛じゃない場面なんですよね。今度心を打ちぬいた名言集作ろうかしら笑

しかししかし!!!今作は「恋愛」
胸キュンと萌え♡逆にすごく新鮮でした


ほんとーーに凪良ゆうさんの引き出しの多さに今回も脱帽。
食わず嫌いは横に置いて「ヤクザ乙女受とラブリーオネエ攻め」を楽しんでください!!!
ちょっと疲れた心に、笑いと愛をお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

27年間不動・わたしの人生におけるナンバーワン映画〔トーチソングトリロジー〕

  

これ以上に心打たれる映画にこの先出会えるだろうか?と思って27年。
やっぱりまだ出会えていない。
今なお愛してやまない映画のお話を・・・


その映画の出会いは27年前
東京の大学に通う親友の家に年に遊びに行っていた時のこと。
「そう、こないだ衛星でやってた映画が良かったよ。観る?」友の言葉から


そこで出会ったのが

トーチソングトリロジー」でした。

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福岡へ帰る日も、家を出る直前まで観てた(ずっと付き合ってくれる友)
あんまり私が観るものだから友達が「持ってていいよ」って。
録画したVHSのビデオテープを私にくれて
擦り切れるほど観たものです。


原作は俳優であり歌手・作家でもあるハーヴェイ・ファイアスタイン氏。
この半自伝的な「トーチソングトリロジー」はオフブロードウェイを経て、1981年にブロードウェイにて舞台化され1983年トニー賞で演劇賞の脚本賞・主演男優賞に輝いています。
1988年に映画化・1990年アカデミー賞では脚本賞にノミネート。
舞台も映画も主演はハーヴェイ・ファイアスタイン氏自身です。


ストーリー

・舞台は1970年代ニューヨーク。アーノルドは女装しゲイバーで歌い生計をたてている。
もう若くなく容姿も衰えてきたと嘆きながらも恋をしたい気持ちは変わらない。
新しく恋に落ちた高校教師の恋人のエドは蓋を開けてみればバイで、アーノルドの誕生日を忘れたうえに、あろうことか彼女を連れて帰ってくる始末。
結局アーノルドは身を引きやがて2人は結婚する(頭にくるけどエドはいいやつで憎めないキャラ)

・ある日、勤めるゲイバーでトラブルに巻き込まれた青年アランを助ける。
若くてハンサムで純粋なアラン。アランはアーノルドに好意を抱く(アランを演じるマシューフロデリックが可愛い♡)アーノルドもアランに惹かれるが、もう傷つくのはたくさん、と慎重な態度をとりつつも次第にアーノルドも自分の気持ちに素直になる。
アランからのプロポーズを受けるアーノルド。結婚して養子を迎える手続きをし、新しい人生を歩もうとした矢先、アランは同性愛嫌悪者から襲われていた老人を助けようとして殺される。

・ある日学校に呼び出されるアーノルド。養子として引き取ったデイビッドもゲイで、それが原因でケンカになり学校に呼び出される事もしばしば。でもデイビットはやんちゃながらも良い子に育っていた。
結婚生活がうまくいっていないエドも転がり込み男3人の生活を送っているところに、父の死後フロリダに隠居している母親が訪ねて来る・・・

 
時代背景

・物語の舞台は1970年代・まだLGBTという言葉もなかった半世紀前のニューヨーク。
当時の同性愛に対する差別や偏見はどれほどのものだったのか。
アランはホモファビア(同性愛嫌悪者)により殺されてしまいます。
怒りと悲しさでやりきれなさでいっぱいになるけどこれも現実なんだという憤りもハーヴェイ氏は伝えたかったのでしょう
この映画をエイズとたたかっているすべての人に捧げる」エンドロールの最後の言葉が胸に刺さります
✳公開当時の1989年代後半はエイズが世界中で猛威をふるっており、ゲイの病と言う風潮が世の中に蔓延っていた時代です。


・原作者のハーヴェイ・ファイアスタイン氏は自身がゲイである事を公表しています。
彼がどういう気持ちでこの作品を書いたのか、について調べたりした事はないのですが(当時はそんな事さえ思いつかなかった。ただ観るのに夢中で)
半自伝と言う事なので親との確執は少なからずあったのだろうと想像します。
事実がどうかは分かりませんがきっと彼の「希望」が描かれているのではないでしょうか。

 
トーチソングトリロジーは文字通りトリロジー(三部作)になっています。

 

・一部はエドとの話

・二部はアランとの話

・三部は母親との話

 

第三部に心を掴まれます

母親は同性愛者であるアーノルドを認めようとしません(ちなみにアーノルドの両親は敬虔なユダヤ教信者)
そんな母親に何を話しても無駄だと今まで互いに歩み寄らなかった母と初めて本音でぶつかり合います。

愛する者を失っている2人。
『悲しみは同じ』と言うアーノルドに対し『35年連れ添った夫婦とは愛情が違う』と尚も否定する母親にとうとう本心をぶつけます。


『パパは清潔な病院で大往生、アランは路上で殴り殺された!27歳の若さで!バッドを持ったチンピラに、ゲイは人間ではないと思う奴らに!』
『ゲイに愛はないと思ってるママの同類に!』

アーノルドは訴えます
『息子にデイビッドに教えたい、ゲイは恥ずべき事ではないと』

言い合いの中『お前なんか産まなきゃよかった』と言う母親に
『僕がゲイだって事を隠していた方がよかった?子供の全てを知るのが親よ』
『僕は誰にも頼らず生きていける。だから愛と敬意以外は求めない。それを持たない人に用はない』

『ママ愛してる、心から。でも僕を見下げるなら出ていって』

母親は言います『確かに、私はおまえに背を向けた。でもお前も私に背を向けた』
『アランの事、話してくれれば、お前をなぐさめ勇気づけていた』と。

 

『ママ、彼が恋しい』

『時が癒してくれるわ』

『傷が消えるのではない
 傷は残って指輪のように体の一部になるの
 傷があることに慣れてしまう
 慣れるけど忘れはしない』
忘れなくていいのよと、母親はそっと部屋を後にします。

窓から見送るアーノルド。
母親はアーノルドを見上げキスを送る。
互いを見つめるまなざしは少し寂しげで優しくあたたかい。

一人部屋に残ったアーノルドは
母親からの土産のオレンジ、エドが忘れていった眼鏡、デイビットのキャップ
そしてアランの写真。愛する人達を抱きしめる。
ラジオから流れるデイビットがリクエストしてくれた曲を聞きながら・・・

ああダメだ・・やっぱり書いてるだけで泣てしまう。

でもこの涙は悲しい涙じゃない。
トーチソングトリロジーを観た事のある人なら「分かるよ~」と思ってくれるだろうし
まだ観た事のない人は観て感じて欲しい。
この映画は「人を愛するって互いを尊敬し合う事」だって教えてくれる。
それは恋人同士だけじゃない、友達や親子の間にある「愛」を含んでいる。
全てを分かり合うのは難しい。
けど分からなくても、分かろうとする気持ちが尊いと思うから。

 

脚本賞を取るだけあってセリフにセンスとユーモアたっぷりで面白い!!
4人で食事をするシーン。ローレルが「コンピュータが苦手でハードとかソフトとかが分からないの」と、するとアランが「人間と逆だって思えばいい。体に入る方がハードで」って←あわてたアランに止められるっていう(笑)
英語が不自由じゃなかったらもっと面白いんだろうなあ~

あと、セットや小道具がとっても素敵でね。
作り手の作品への愛情を感じます。


ただ・・・本当に残念な事に・・・
廃盤になってるんですよね(号泣)
実はつい最近、VHSがない事に気づき一週間ずっと探したんですが見つからず・・・
もちろんあっても観れないんだけど「そこにある」って事に意味があったのでショックでね。
DVD買わねば!って検索したら無いんですよ。中古はかろうじてあるんだろうけど圧倒的に少ないみたい。

版権の問題とかあるんだと思うんですが・・・
こんな名作を観れないなんて悲し過ぎるし残念過ぎるわ。
どうかもう一度販売して欲しい。
こういうのってどこに言ったらいいの?
映画館での上映も難しいんでしょうかね。
今の時代にこそ観るべき映画だと思います。ほんとに。

それとね、私が擦り切れるほど観た「衛星第一」で放送されたものと、むかーし一度借りたレンタルビデオでは訳が違ったんですよね。断然、衛星の方の訳が良かったんだよなあ。
だって訳で伝わり方って全然変わってくるもの。
同じ作品で訳が複数あるってよくある事なのかな?
今回ドキドキしながら買ったDVDは「衛星」の訳でした!(心底ホッ)
訳は戸田奈津子さんだった。センス!


しかしとにかくね、ハーヴェイ氏演じるアーノルドの魅力的な事よ。
映画の冒頭、鏡に向かって自分の身の上を話すシーンから始まるんだけども最初から引き込まれるから。
しゃがれ声と演技が素敵過ぎる!!!本当にチャーミングな愛すべきキャラクターです。
舞台も観たかったなあ。
タイムマシンに乗ってブロードウェイでの舞台を観に行きたい!
※日本では2006年にパルコ劇場にて篠井英介さん主演で上演されています(アランは何と長谷川博己さんでした)

 

ゲイとしての生き方。愛と絆と誇りを描いた「トーチソングトリロジー
素敵なラストシーンを何度でも観ていたい・・・
これからもこの映画はずっとずっと私の心のお薬であり続けます。

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オススメBL小説編①眠り王子にキスを(月村奎)

本日はわたくしの大好きなBL小説を紹介します

 最近「家族とは・・」と考える事がありまして
その事について考えるとこの小説の事を思い浮かべてしまうのです。


月村奎さんは繊細な心理描写と読みやすい文章で人気の作家さんです。
作品の傾向としてはネガティブ健気受けとそんな受を優しく包み込むポジティブ攻め
月村作品の中で1番好きなのがこの作品です!
「切ないけど心あたたまるBL読みたい」という方に鬼ススメするのは…

 

眠り王子にキスを(2013.12  SHYノベルズ・大洋図書

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・宮村周平(攻)              ・堀篤史(受)
                                   
デリの常連客・会社員・29歳         物静かなデリ・オーナーシェフ・32歳


・ストーリー
家族から離れ伯母から譲りうけたキッチンスタジオで料理教室をしながら
オーナーとして働くデリにさわやかサラリーマンの宮村が通って来るようになる。
自分の性癖に悩み、それが原因で家族から心無い仕打ちを受け「一生恋愛をしない」と
心に決めていた篤史だったが人懐っこく大らかな宮村に惹かれていく・・・


「目のつんだブロードのシーツに身を横たえるとそのひんやりとした感触に体温を吸い取られていく。普通でない性癖を封印して、自分は人生最後の日までこうして冷たいシーツの上で一人眠りにつくのだろう。あの客はもう眠りについただろうか。微笑んだ目元の優しさを脳裏に想い描くと、胸の奥に小さな火が灯る」本文より(12P)

 
 
理解をしめさず1ミリも寄り添わずそれどころか篤史を追いつめる実母・弟・学校の教師らの描写には心底腹が立ちます。でもそれ以上にそんな家族に対し憤らずただただ申し訳ないと心底思っている篤史が不憫で悲しい。
頑なに閉ざした篤史の心を、握りしめたこぶしの指をゆっくりと丁寧に一本づつ開かせた宮村の愛情よ。良い家庭で育った宮村だからこそ篤史は惹かれたのかもしれないね。

 

何度でも読み返してしまうお気に入りの2シーンを!

 

①私が心震えるイチオシのシーン

 

海外出張土産を持って宮村がデリへ訪れる。
仕事がら水仕事が多くいつも手が荒れているのが気になってたと、レクチャーしながら宮村が篤史の手に高級クリームを塗る場面

生まれてから今までで、一番幸せで官能的なスキンシップだった
今世界が終わりを迎えても構わない位、篤史の心は甘い幸福感に包まれる

 

一番幸せで官能的なスキンシップだった


ここの描写がほんとたまらないんですよ

 
そして…


②何度読み返しても200%泣くシーン。


恋人同士になった2人(やっと)
一緒にいるところに篤史の弟が現れ、ぶつけられた心ない言葉。このまま一緒にいたら宮村を不幸にしてしまうと別れを決意する篤史に
「実家に用事があるから一緒に行って欲しい」と言われ宮村の実家を訪れる場面。

宮村は母親に「今夜、一生添い遂げたい人を連れて行くから」と予め伝えていたのです。
それを母子の会話で知った篤史は畳に頭を擦りつけ泣いて宮村の母親に謝ります。
「すべて僕が悪いんです。申し訳ありません、今すぐ別れて一生お母さんの目に触れないようにします」
悲しくなるわ。いつも。

母親は「どうかお顔をあげてください」と言い、かつて親に猛反対され夫とは駆け落ちをした事、親から心無い言葉で傷つけられた事、ふとした折に思い出すたび辛かったと。
だからは子供に大切な人が出来た時は絶対祝福すると決めていたと話します。
さらにここから続く宮村母の言葉に…

 

200%号泣


ほんと心救われるシーン。
こんな家族がいたら何も怖くないよね。
肯定してくれる人が家族って最強よ。

 

篤史を否定し続けた堀家の母・弟は最後までそのスタンスを崩さなかった。
その辺りの回収はありませんでした。
最後まで腹立たしかったけどこれも現実なのでしょう。
でも宮村母は篤史のお母さんになってくれるはずだし
宮村一家も今まで家族愛に触れた事のない篤史にうざい位の愛を注いでくれるはず。
そしてBLお待ちかねのエロは控えめだけども宮村の抑えに抑えていた気持ちがあらわれた濃いものにはなっていました(嫌いじゃないわ)

ほんとに大好きな小説。

 

スピンオフやコラボ小説がありますのでそちらも是非!

 

「眠り王子にキスを」と同時に発売されたコミックスです。
篤史と同じマンションに住むエロ漫画家の朝比奈と、かつて告白逃げしたイケメン意地悪先輩との再会ラブコメ

「いつも王子様が」(2013.12  comics ihr Herzシリーズ 大洋図書f:id:byuricol:20200422083046j:image

 

 

 

これも超オススメ!おおらか攻めとツンデレ受(月村さんでは珍しいかも)
 宮村&篤志カップルのラブラブなその後をチラっと覗けます♡

「隣人は恋人のはじまり」(2015.6 SHYノベルズ・大洋図書f:id:byuricol:20200422214640j:image

 やはり……

 

月村奎木下けい子タッグ最強やーーー!