yurico’s note

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僕こそ音楽・キムジュンスという生き方

運命の出会いを目の当たりにした事はありますか?
『運命の導きによって人生が変わった瞬間』を。

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天才音楽家モーツァルトの生涯を描いたウィーン発のミュージカル『Mozart!』
日本での初演は2002年。上演が決まるとチケット入手は困難なほど今尚、人気の舞台です。

そんなミュージカル「モーツァルト」が韓国で初めて上演されたのは2010年。
主役のヴォルフガングに決定してた1人(当初はトリプルキャストだった)歌手のチョソンモさんが骨折の為に降板となり、代役として抜擢されたのが私の長年の推しであるキム・ジュンスその人でした。


こう書くと、10年と言っても長い様で短いなあと感じますね。もう10年?って。
ファンの方は別として、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、2010年。当時人気絶頂の東方神起というアイドルグループを脱退したジュンス達は事務所の問題等もあり、日本はもちろん韓国での芸能活動が一切できない状況にありました。

ファンになって間もなかった私は「これから先どうなるんだろう・・・」真実か嘘かも分からない情報に一喜一憂したりと悶々と日々を過ごしていました。

そんな最中、ジュンスが韓国初上演となるミュージカル『モーツァルト』に主演の1人として抜擢されたというニュースが飛び込んできたのです。
正に運命が動き出した瞬間でした。
歌う事が大好きでとにかくいつも何かを口ずさんでるジュンス
彼の独特なハスキーボイスを初めて聞いた時は『全然好きな声じゃない』と思ったのだけど聴くうちに、なんて歌を歌うんだろうって。
歌の上手い人はこの世にたくさんいるけど、それだけじゃ人の心は動かせない。
魂を揺さぶるってこういう事なんだって。

『歌う為に生まれてきた』ジュンスにとって歌う場所を奪われた時間はどれほど辛かったか。
ポジティブを絵にかいたようなジュンスも『歌手としてもう2度と歌えないかもしれない』と諦めの気持ちになった時もあったと語っています(そう思うほど八方塞がりの状況でした、本当に)

言わずもがな『モーツァルト』は天才音楽家モーツァルトの生涯を描いたものです。
ヴォルフガングを意のままにしようとする権力者の大司教コロレドは「僕は自由でいたい、自分の好きなように音楽を愛したいんだ。あなたの思い通りにはならない!」そう言い放ち自分に服従しないヴォルフガングの行く手を権力を使いことごとく阻みます。ミュージカルナンバーに『僕こそ音楽』という曲がありますがこの曲はヴォルフガングそのもの。音楽無しには生きていられないヴォルフガング。それを奪われるということは死も同然。
ヴォルフガングとジュンスの置かれた立場と心の葛藤があまりにも似ていて…本当に心が震えました。

モーツァルトの作曲家リーヴァイ氏に「彼こそモーツァルトだ」と言わしめたジュンス

神様の導きとしか思えない「モーツァルト」との出会い。
この出会いがなければ今のジュンスはいなかった。
歌う為に生まれてきたキムジュンス
ジュンスがミュージカルという運命と出会った瞬間でした。

当初はアイドルがミュージカルなんて!と批判は凄まじいものでした。
声楽や専門の勉強も知識もない『ただ歌の上手いアイドル』でしょ?
それがジュンスへのラベリング。
でも不屈の精神と努力で、批判の中ジュンスは見事ヴォルフガングを演じ切りました。
ジュンスを突き動かしたのはただ「歌いたい」その一心だったのだと思います。

ミュージカル俳優を目指して声楽を学び専門の知識を学んできた俳優さん達も多い。
ジュンスは声質はミュージカル向きではないし、発声方法も違うので正直聴きやすい声ではないし、すごく好き嫌いが分かれる声と歌い方だと思う。

けれど、それは「個性」になった。
誰にも似ていないし誰にも真似出来ない。
だからこそジュンスの歌は胸を震わせる
唯一無二と言う言葉があるけど
彼の声と歌こそ唯一無二なんだと。

そして再びリーヴァイ作品の中でも最高作品のひとつでもあり、日本でも大人気の演目『エリザベート』やフランク・ワールドホーン氏の『ドラキュラ』で主演をつとめ、今や韓国ミュージカル界になくてはならない存在となりました。
でもそれは決して平坦な道ではなかった。本当に茨の道だったと思う。

「コンサートかミュージカル、一生どちらかしか出来ないならどっちを選びますか?」以前日本で行われたコンサートのジニータイムでのファンからの質問にジュンスは悩みながらも「ミュージカル」と答えました。その時、ジュンスのミュージカルへの情熱は私達の想像以上なんだなと実感したものです。

歌唱力・テクニック。ジュンスより歌の上手いミュージカル俳優はたくさんいる。
でもあの表現力と舞台に登場した瞬間に全てを掌握するあの存在感を持つ人間はそういない。
会場の空気が変わる「あの瞬間」をまた五感で感じたい。


今回、新型コロナの影響で世界中のエンターテインメントが中止になったり延期になったりする中で新たな取り組みとして実現した『インターネット配信』コロナによって奪われた楽しみは多く落胆は計り知れないけど、こんな時だからこその享受もある。

行ける限り韓国へジュンスのミュージカルを見に海を渡りました(コンサートへも)ほんとにバカみたいに行った。でも後悔は一切ない。一度も後悔させなかった。
でもいろんな理由や事情で韓国へ行けない人もいる。むしろ簡単に行けない人の方が多い。韓国まで行けないファンの為にも「日本でやってくれないかなあ」と常々思っていたので今回の配信は本当に嬉しい。もちろん会場でしか分からない迫力や空気感はある。
けれどやはり韓国ミュージカルを日本で鑑賞できることに意義がある。本当に素晴らしい。これからもどんどん配信して欲しい。そしていつか本物の舞台を観にいきましょうね。

歌を諦めようとしたジュンスをもう1度光の当たる場所に立たせてくれた『モーツァルト
10年経った今もジュンスはあの時と変わらず
全身全霊でヴォルフガングでした。
本当にヴォルフガングとして生きてた。

まるで明日はないように
今日が最後みたいに演じるジュンス

『一日も同じ舞台はないから全力で演じます』
真摯に向き合うその姿勢を心から尊敬します
キムジュンスとしてのあなたの生き方を誇りに思うよ


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音楽がない僕の人生は想像することができません

ジュンス
歌う事をあきらめないでいてくれてありがとう。
あなたの歩む道がいつも光であふれますように。