yurico’s note

BLイズマイライフ♡BLのこと。感じたこと。時々日常

全人類へ告ぐ・今なんとしても見るべきタイBLドラマ『DARK BLUE KISS』

いつもと何も変わらない日だから、僕にとって、君と一緒にいられる毎日が幸せなんだ

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タイBL沼に足を踏み入れて約2か月。DARK BLUE KISS沼にハマって約一ヶ月。
まさかの・・・DVD BOX発売!!!なんというタイミング。私が沼にハマるのを待ってたとしか思えないね。GMM殿、ほんとにありがとう!日本語字幕なくても無問題。そらさんの日本語字幕が大好きだからいいのいいの。カットされたEP1の水中キスシーンさえ見れれば爆。きっと100回は見るね。これでまた楽しみが増えたよ。ほんとにありがたい事です。

しかし気に入ったものを繰り返し読む・見る性癖はいつからだろうって考えてみたら、小学三年生の時に出会った「有閑倶楽部」だな。しかも小3にして「有閑倶楽部」がいかに面白いかを叔母にプレゼンしてたという・・・筋金入りだゼ笑
近年はBl小説を好んで読んでるのだけど、自分でもちょっと呆れるしつこさエピソードを披露するなら最も敬愛するBL小説家・夜光花様の「薔薇シリーズ・全6巻」を半年間読み続けた事だろうか。本でも映画でもドラマでも何かにハマると気が済むまで終われない。
でもそんな変態的しつこさにも必ず「落ち着く時」はやってくる。でもそれは飽きたのではない。自分の中へ吸い込まれいつまでも心に残る。一度好きになったらずっと好き。きっとこの『DARK BLUE KISS』というドラマも私の心の中にある特別なものしか入れない「大事なもの入れ」に入れられるだろう。今はその日が訪れるのがなるべく遅くなるといいなあと思う。

 前置きが長くなってしまった←悪い癖w

以前『なぜこんなにもDBKというドラマに惹かれるのか(pete&kaoカップル視点)』 について記したが今日は前回語り切れなかった思いをさらに深く掘り下げていきたい。自分なりの答えと気持ちを整理する意味でも記したいと思う。長くなりますが、少しでも共感して頂ければ幸いです

タイBLの先人様以外は「2gether the sireis」をきっかけににタイドラマに傾倒したという方が圧倒的に多いのではないでしょうか。私もその1人であります。2getherは世界中のBLファンを虜にしたばかりか今までBLに触れた事のない人をもBLの世界へ引き込んだのではないかと思います。

主演カップルの見目麗しさと(これはもう本当に奇跡ですね)ドラマのイメージカラーそのままの2人の瑞々しい演技とドラマの持つ『誰も傷つく事のない終始感じる優しい世界観・同性愛に対する嫌悪感の無さ・あたたかい周囲を取り巻く人達』タイBLのみならずBL初心者が入りやすいストーリーになっていて「タイBLドラマ入門書」と言えるようなドラマでした。

2getheを観て当然「タイBLもっとくれ!」ってなりましたね。2geを入り口としてタイBL沼へと沈んでいかれた方が数知れないと思います。。

あ、まず先に申し上げます。私はBL歴30年オーバー(当時はBLなんて言葉なかったけども)当然ながら同性愛に対する偏見は1ミリもありません。何かの行動にうつしてるわけではありませんが『アライ』です。

タイはトランスジェンダーの方も多いし、セクシャルマイノリティに対して寛容な国という一般的イメージは持っていました。もちろん私が望む世界ではありますが「このドラマの世界は現実なんだろうか」という疑問。

私が視聴した作品は、周囲の同性愛に対する偏見や無理解はなく(UWMA前世CP父親以外)本人はもちろん周囲にもゲイカップルがいて友達も好意的といった構図。重ねて言いますが「男の子達同士がキラキラと眩しく、恋してキスしてラブラブ」というのは本当に望む世界。可愛いし萌えるしキュンキュンくるし応援したいし、ずっと見ていたいと心から思うけれどタイの現状はどうなんだろう?と思ったりしていたんです。

そして運命の『DARK BLUE KISS』に出会いました。  

◾️ 今なんとしても見るべきドラマ『DARK BLUE KISS』

DARK BLUE KISSには一般的BL視点での可愛い男の子やスパダリはいません(私的には可愛い男の子だしスパダリですが)いるのはオレ様でわがままな激情型の世間知らずのお坊ちゃまと、家計を助ける為に少しだけ自分を犠牲にし家庭教師に勤しむ、自分のセクシャリティに悩みを抱える青年。2人の物語です。これだけ聞いたら萌えないのよ爆。でもほんとに不思議と最初から心にスっと入ってきたんですよね(※kiss me againの時ですね)

腐女子のBLに対する萌え要素を考えた時、もちろん、萌えは人それぞれなんですが・・・「差」って重要要素だと思うんですよね「攻めと受けの差」年齢・体格・身長・身分(立場)気持ち・その他いろいろ。もちろん私も大好物です♡

じゃあなぜDBKなのか?同級生だし、体格差ないし、受の方が若干逞しいし、攻めはわがままだしすぐ怒るし顔も怖いし(kaoも『猛犬みたいな君が』って言ってたしね)←悪口www

 ■ 『DBK』を観る前にKiss Me Again』を!!

確かにDBK本編のみを観ると「我儘な攻めに振り回される受が可哀想」と映るかもしれません。キツくなって途中で止めちゃう方もいるかもしれない(←SNSで実際にお見かけしました)なのでDBKを観る前には前段の『kiss me again』を観る事は重要ですね。必ずご覧下さい!!

2人の出会い→何なんだあいつは!?→大嫌い!→事故キス→意識する→これは恋かもしれない→大好きだ!この殴り愛カップルの関係性が変わっていく過程があってこそ『DARK BLUE KISS』へと繋がるのでね。

KMAでの2人の関係の変化を知らずにDBK見たら「何こいつーー!わがままーー!顔こえーよ!」ってなりますよね←2回目。あ、peteの事ですwwwただの自己中心男にしか見えないもんね。まあ、私は「萌え」しかないんですけどね。

交際3年目のカップルなので恋愛ドラマの醍醐味『恋人になるまでのプロセス、及び付き合うまでの恋のドキドキ』はKSAにて済んでます。なのでそういった部分での萌えは今作にはありません。では一体どこに魅力があるのでしょう?

私が思うにpete&kaoカップルって「差」がないんですよね。きっと私たちの周りにいるであろう普通のカップルなんです。

  PETEという人

peteと言うキャラクター。まあ良くも悪くも猪突猛進の激情型ですよね。好きなものは好きだし嫌いなものは嫌い。人に指図されるのは嫌いなんだって言い切ってる笑。kaoからもよく「子供っぽい事しないでって」言われてるし。こどもっぽい選手権あったら優勝ですよ。でも本質を見抜いてるのはpeteなんだよなあ。
少しづつだけど大人になってるんですよね。

💙EP5-1/4

peteがkaoの代わりにNonへジャケットを返す場面。「これ以上kaoにつきまとうな」とジャケットをNonに激しめに投げます。その様子をそっと上から眺めていたkaoのホっとした表情。これも前段KMAがあってこそ。このシーンだけ見たら「peteめっちゃ感じ悪いのにkaoのそのほっとした表情何なの?」ってなるからね。「昔の俺なら一発お見舞いしてただろうな」って自分で言ってたからね。そこを「ジャケット投げつける」で我慢←爆

この人の「kaoを好きな気持ち」の真っすぐさには感動します。peteは器用じゃないし思ってる事を上手く伝えられなくて誤解されちゃうタイプ。口下手だからけんかっ早かったんだもんね。だからこそpeteのストレートな愛の言葉には胸を打たれます。

💙EP6-2/4

お前がみんなの前で俺のこと彼氏ってよんでくれたら、俺、すげー嬉しいだろうな」って言うセリフ。kaoは「おおげさだよ」っていうんだけど何か私泣けちゃうんですよね。このシーン。

自分は何がしたいのか?どうなりたいのか?目標もなく、エネルギーの持って行き場が分からず、気に入らない事があるとすぐ喧嘩して・・・peteはそんな自分の事が嫌いだったよね。けどkaoに出会って少しづつだけど変わって、kaoの為に変わりたいと思うようになって「お前が誇れる自分になりたい。お前に頼って貰いたい」そんな自分をやっと好きになれそうなんだよね。YoungGearのスピーチを引き受けたのも、インターンシップの件もkaoの隣にいる男としてふさわしい自分になりたいって思いがあっての行動。全ては「愛」なんです。

愛って人を変えるのね

その想いが今だけじゃなく2人がずっと一緒にいられる未来をちゃんと描いての事なんだって事が尊い。好きな人の為に自分を変えるってすごい事よ。『peteは変わった』ってそりゃ、みんな言うよね。

自分のダメさ弱さをkaoにだけは見せられる。kaoにだけ見せる甘えたpeteが可愛くってたまんないですよ。本当に愛すべきキャラでした。

■KAOという人

kaoはね、peteみたいに素直に愛を口にしないから一見するとpeteの「好き」の方がすっごく大きいじゃんって思いそうになるんだけど、この人もpeteに劣らず愛情深い人。peteの事を愛している故に甘やかさない。でもpeteの事を1番に考えているところに、peteの心に寄り添う姿に、言葉にしない「愛してる」を幾度となく感じます。私はね、peteよりkaoの方が「好きの重さ」1g重いじゃんね?って思ってます笑

peteがkaoにだけ甘えるように、分かりづらい方法でkaoもpeteに甘えてる。素直じゃないところが愛しいんでしょうねpeteも。普段甘い言葉を言わない分たまにくれるご褒美にpete共々悶絶せずにいられない!「防犯カメラに写ってるけどいいのか?」最後のご褒美にはもう破顔。最後の最後にありがとう。

温厚で優しく勉強も出来て人付き合いもちゃんとできる優秀な人だけど、どこか不器用な部分を持っている。kaoは愛してるからこそどんな時もpeteと「対等な恋人」でいたいんだよね。どんな時もpeteに寄り添うkao。あなたもまた愛おしいです。

■ 『多幸感=pete&kao』と辞書に載せてくれ

peteは嫉妬の塊。ちゃんと愛してるって言葉でも伝えてくれるし、peteの想いの方が強く見えるんですが、分かりにくいけどkaoもなかなかですよね?いつもpeteの愛を図ってる(この辺りがtaynewに重なって萌えるんですが)確かに愛され過ぎると、愛されなくなる日を想像して怖くなるよね。peteはkaoというピースが、kaoはpeteというピースが必要で。育った環境も性格も考え方も違うpete&kao。この不器用カップルが与えてくれる多幸感に萌えずにいられましょうか。がっちりハマったピース。永遠に離れませんように。

DARK BLUE KISSのテーマ

DARK BLUE KISSのテーマは『カミングアウト』にあり

2人の関係を隠したくない・カミングアウトしたいpeteと、まだ打ち明ける勇気のないkao。

結局2人のカミングアウトに対する気持ちの相違がドラマの軸だと思います。ぶっちゃけkeoがカミングアウトしてればドラマすぐ終わっちゃうもんね笑。でも人それぞれ置かれた環境・立場・事情は違うし、現実問題カミングアウトってそんなに簡単な事じゃないですよね。

  家族との関係

kaoの家庭は父親不在。母と妹とkaoの3人家族。家計を助けるためにデートの時間も削って家庭教師のアルバイトに勤しんでいます(そんなに働かないと食べていけないような家には見えないんですけどね。家も立派だし母親は高校教師だし・・・と疑問に思う点はあるんですが)お金を稼ぐのに頑張っています。そんなkaoに母は「あなたはみたいな息子を持って私は幸せよ」感謝してると言います。kaoはお母さんと妹の為にできることは全てしてあげたいと心から思う優しい息子なのです。

そんなkaoは女手ひとつで育ててくれた優しい母に悲しい想いをさせてしまうのではないか?とカミングアウトに踏み切れません。カミングアウトを望むpeteとの間の板挟みになり苦しむ姿は見ていて切なかったですね。

良き理解者でありたいと、優しいまなざしで息子を見守ってくれるpete父をみてkaoは「僕もあんなお父さんが欲しかった」と言います。peteと父親のあたたかな関係性を見るたび、いつかはしなければならない母へのカミングアウトを考えてしまうのでした。

度々peteは言います。「お母さんはきっと俺たちの事分かってるよ」「親は子供の事を分かってるもんだ。だから大丈夫だ。俺を信じろ」と。一見、早く早くって自分の気持ちを優先して急かしてるように見えるんだけど、私にはkaoの憂いを取り除く為に言ってあげてるように感じるんですよね。

 ■目から 鱗だったkao母の言葉

カミングアウトというと、どうしてもカムアする側に焦点が当てられがちですがここではkaoの「母親の気持ち」に胸が熱くなりました。思いもよらぬ出来事に巻き込まれ望まない形で母親にカミングアウトする事になってしまう場面。

「あなたは男の子が好きなんでしょう?」うすうす分かっていたのとkao母が言います。あなたにどうやってこの事を切り出そうかと考えていたと。「私があなたを非難すると考えてるんじゃないだろうか、理解出来ないんじゃないだろうか」と不安だったと語ります。カミングアウトされた側の親の反応ではなく、子供への気持ちが描かれていて親から子への深い愛情を実感できる、何度見ても泣けるとても良いシーンでした。

※EP11のDBK格言が刺さります

理解され受け入れてもらうことは、すべての子どもたちが家族に望んでいる1番大事な事である

「希望」として描かれているpete父

pete父は『KMA』で既に2人の仲を認め心から応援してくれているのだけど、父の素晴らしいところはkaoに対しても愛情を持ってくれているところです。カミングアウトに関してもpeteに「kaoを急かしてはいけないよ」と諭してくれるのです。

pete父は本当に父親の鑑。きっとpete父には全ての親がこうあってくれたら子供はどんなにいいだろうかという「希望」として描かれているのだと思います。

  special thenks!!サンディ姐。そして…

・女性陣のナイスアシストが素晴らしかった。男どもの尻を叩いてイイ事言ってくれたわ。特にサンディには心からの感謝の拍手を送りたい。いつも2人の事を見守ってくれて、的確な心に響くアドバイスをくれてありがとう。特にEP9-3/4での言葉にどれだけ共感したか(涙)

理解してくれる友達がいるってほんとありがたいよね(この「理解」ってゲイってアイデンティティをという意味ではないです)

まあ蓋を開けたらthadaやjuneも気づいてたっていうね。まあそりゃ気づくわな。

ようやくカミングアウトもでき憂いがなくなったpete&kaoが仲間と屋台でごはんを食べるシーンがまた良かったね。サンディ姐の「あんたたちが関係をオープンにできてお互いを恋人って呼び合えるのが嬉しい」って。ほんとね。サンディ姐さんホントお疲れさま!あなたと酒が飲みたいわ。

・『Dark Blue Kiss』に素晴らしい日本語字幕をつけてくださったTayNew JapanFC様(@TayNew_japanFC)に心からの感謝と拍手を送ります!言葉が分からない者にとって『訳』は全てですよね。そらさんが愛情を持って訳して下さったからこのドラマの素晴らしさを全部受け取れたんだと思うんです。本当にありがとうございました💙

 

少しだけ垣間見たタイのセクシャルマイノリティの現状

sunがkitty(sunの元カノ:sunは自身がゲイである事を隠し過去kittyと付き合っていたが、カミングアウトして今は良き親友)へ悩み相談をしている場面。こちらはまた素直じゃないケンカップルなのでなかなか大変です。kittyも良きアドバイスをくれる人でしたね。

そこへゲイカップルが注文していたブーケを受け取りに店を訪れます。綺麗なブーケを嬉しそうに受け取り彼は言います。
「僕たちが結婚できるようになったらあなたに結婚式をまかせたい」
「結婚した事を登録するだけでいいよ、記事になりたくないし」
「何で男同士で結婚するとニュースになるんだろ」

短いシーンです。でもこの場面に監督の強いメッセージを感じました。
少しでも早く現実になる事を祈らずにいられないですね。

  こんなにも心奪われるドラマに出会えて良かった

大っ嫌いから大好きになり、色んな問題を乗り越え恋人同士になったpete&kao。

DARK BLUE KISSは『恋愛だけじゃなく2人を取り巻く周囲の人たちを含めた関係性の変化を描き、ドラマティックな展開はなくとも心から愛し合う2人の姿と、多くのゲイカップルが抱えるであろう現実的な悩みや葛藤から目を逸らさず、 しっかり盛り込んだ恋愛&成長物語だと評したい。

『DARK BLUE KISS』という素晴らしいドラマに出会えた事に心から感謝します。手を取り導いてくれた同志よ本当にありがとう!

そして・・・

PETEを演じてくれたTay君

KAOを演じてくれたNew君

TayNewに出会えて本当に幸せです。

ありがとう

 

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pete,kao 繋いだ手をこれからもずっと離さないでね。