yurico’s note

BLイズマイライフ♡BLのこと。感じたこと。時々日常

凪良中毒へのいざない(2020本屋大賞「流浪の月」を読み凪良ゆうさんのファンになったみなさまへ)

f:id:byuricol:20200410181757j:image

 


わたしと文との関係を表す適切な、世間が納得する名前はなにもない。
逆に一緒にいてはいけない理由は山ほどある。
わたしたちはおかしいのだろうか。
その判定は、どうか、わたしたち以外の人がしてほしい。
わたしたちは、もうそこにはいないので流浪の月より〕

 

2020本屋大賞受賞作「流浪の月」を読み凪良ゆうさんのファンになったみなさま。

こんな書き手がいたのか。と、凪良さんの筆力に唸ってらっしゃる事でしょう。

そんな方に、もっと凪良ゆうさんの魅力を知って頂きたく、最終目的としては凪良さんの才能が培われたBL作品を読んで頂きたい一心で、着ては貰えぬセーターを~♪都はるみの心情で綴ります。←こんなブログ一体何人の人が読んでくれるかも分からないのに…と言う意味←説明無粋

 

※【流浪の月】については前記事に寄せております。


全国の書店員さんの投票で決まる本屋大賞
手作りのPOPに、文章に、書店員さん達の「この本を売りたい!」
という熱い思いが伝わってきますよね。

書店員さんの評価・口コミがとても大きな力になり「なら読んでみようか」と
本好きの人々の読書欲をくすぐります。
最初の読者である書店員さんが推したくなる本。
そういった意味でこの賞は作家にとって、とても意味のある賞だと言えるのでしょう

 

そんな栄えある本屋大賞を我らが凪良ゆうさんが受賞された事は
彼女のBL作品を愛してきた者にとってどれだけの歓喜をもたらしたか。
初の単行本で本屋大賞ですからね!
常々「BL界にも凄い才能のある書き手がいるんだよー」と思っていたのは
私だけじゃないと思いますが、BL界と無縁の方からすると「凪良ゆうって誰?」
となりましたよね。


BL歴30年の私ですが凪良作品に初めて触れたのは2年前でした。
実はファン歴は長くはないのです(抵抗していたんです。その話はまた別の機会に)
が、1冊読んだ後は抵抗もあっけなく凪良中毒に。しかも重度の。

きっと今回の本屋大賞受賞をきっかけに、今まで凪良ゆうさんを知らなかった
多くの方が凪良ゆうという作家に興味を持ち彼女の作品を読むでしょう。
そこで、黙ってられないおせっかい貴腐人(フレディね)が「これ読んだらいいよ!」
凪良ゆうさんの作品を勝手に薦めて参りたいと思います。


まず、簡単に凪良ゆうさんのプロフィールを。


滋賀県出身。2007年「花嫁はマリッジブルー」にて本格デビュー。
作風はコメディからシリアスまで幅広く、特に人間関係における心の機微は秀逸。
実力と人気を兼ね備えるBL小説家。その才能は見出され活躍の場は、BLに留まらず一般小説にも広がっている


いきなりBLはハードルが高いわーという方も多いかと思いますので
まず凪良ゆうさんの非BL作品からいきましょう。


読む順番ですが刊行順で良いかと思います。

 

  神さまのビオトープ(2017年4月 講談社タイガ)※文庫f:id:byuricol:20200410181813j:image

【流浪の月】を担当した編集者・桂島さんはこうおっしゃっています。
神さまのビオトープを読んで、本当に素晴らしいと思いまして(中略)幽霊以上に人
間がいやだと感じるものを書いてみせるなんて、この作家さんは素晴らしいなと思ったんですね。第一話のそのセリフが出てきた段階で、この方に新作を依頼しようと決めました。それも文庫書き下ろしじゃなくて、単行本で刊行したい、と。それだけの勝負ができる方だと思ったんです
ええ。主人公は事故死して幽霊になった夫と同居してるんです。
え?どういう事?ってね。興味湧きませんか?笑。
桂島さんがいう「そのセリフ」とは?

※桂島さんは凪良さんのBL作品を読破。その感想をツイッターで拝見していたんですがそれが大変良く、わたくし好感を抱いております。

 

 

  すみれ荘ファミリア(2018年7月 富士見L文庫(KADOKAWA)※文庫 f:id:byuricol:20200410181825j:image

ギャップよーーーー。
表紙から物語って想像しちゃいませんか?
すみれ荘に暮らす住人達のほのぼのした話なんだろな~って。
凪良さんが書く「負の感情」はほんとに上手い。
そして引き出しの多さにいつも感嘆させられます。

 

わたしの美しい庭(2019年12月  ポプラ社

f:id:byuricol:20200410181907j:image

『最後のページから目を上げた時、きっと世界は少し違ってみえる』

池澤春菜さんの帯の言葉にただ頷く。
まずは自分を認めてあげる事。他人を認める事。認め合う事の尊さを。
誰と誰が手を取り合ってもいい、それが世界を救うんだってことも
そんな世界が広るよう心から願います。

全人類に読んで欲しい本です。
教科書に載せてください!

※わたしの美しい庭の編集者である森さんはサイン会にてお姿を拝見し少しお話しも出来ました。お人柄の良さが滲み出ていらして『わたしの美しい庭』はこの人から始まったのかと、静かに感動した次第でした

 


さていよいよBL作品の紹介です。
が、その前にちょっとひとこと言わせてください。


流浪の月を読まれた方達から凪良ゆうさんの才能を賞賛する言葉を目にします。
もちろん凪良ファンとしては誇らしく嬉しい限りなんですが
「凪良ゆうの才能を語るならまずBL読んでからにしてよ」とこうなるわけです。

これは凪良さんのBLを愛する人なら誰しも抱く気持ちなんじゃないかな~

「流浪の月」も「わたしの美しい庭」の中にも大好きな凪良さんの文章達はそこかしこにいて
凪良さんが「伝えたいこと」はBLも一般文芸も何ら変わらないんだと実感出来た事が本当に泣きそうな位に嬉しかった。
だからこそBL作品も読んでほしいと思うのです。

はい。やっと本題です(笑)

さっきからビーエル、ビーエルって言ってますが
BLって何?ってまずはそこからの方もいらっしゃいますよね。
BLとはボーイズラブの略で男性同士の恋愛を性描写を含み描いた作品群です。
近年ではBL漫画・小説の実写化やアニメ化も増えてきました。
実は私、実写化には反対派寄りなんですが凪良作品には映画化を強く望む小説があります(笑)
その辺りの話もまたいつか聞いてください。


そんな凪良さんはBL小説家として12年のキャリアがあり良い作品を書いてらっしゃいます。というか良作しかないです(断言)
商業 BLの祭典「ちるちるBLアワード」「この BLがやばい」では常に上位にランクイン。2020年はBLの最新作『悩ましい彼−美しい彼3-』が小説部門で両賞1位に輝いています。そう!BL界でも凄いんです!!!興奮。

BL作家はわりと固定ジャンルがあるんですが(※学園モノ・ファンタジー・エロ等々)
凪良作品はそれがありません。
だから「今度はどんな話なんだろう」とわくわくするんです。

 

 


以前の記事でも触れましたが、凪良作品に強く惹かれる理由についてです(そちらも読んで頂けると幸いです)

『出会ってしまった。凪良ゆうと言う才能に』


なぜ凪良ゆうなのか?

人間洞察の深さ、巧みな心理描写、生きづらさを感じる人達の日常を描き、登場人物を深く掘り下げる。心の動きを鋭く、そして丁寧に描く。


■ 圧倒的筆力

とにかく文章が上手く読みやすい。飾りは全て削ぎ落とす引き算の美学。
シンプルでストレートな文章のひとつひとつが深く胸を打つ。


作品の傾向

コメディからシリアスまで作品は幅広いが「お手軽ハッピー」はない。
登場人物は何かしらの十字架を背負っていてテーマは重めのものも多いが
重い=暗い。にならないところが凪良ゆう。必ず救いがある


ココを推す

枠にとらわれず、幸せのカタチにこだわらず、自分の書きたい事を曲げない信念を持った書き手。その想いがビシバシと伝わるから読まずにはいられないのです。


ちょっと熱くなってしまいました。
ことBLになるとついね。
貴腐人だからね。 


繰り返しになりますが凪良作品に駄作なし。
全てオススメなんですが「とはいえBLはハードル高いなあ」と躊躇する方も多い
かもしれません。
そこでBL作品を初めて読むという方へ、まず雰囲気の異なる2冊の本をうんうん唸りながら選んでみました。

 

 

この作品は一般文芸でも良いのではないでしょうか・・・

おやすみなさいまた明日〔2014年1月 キャラ文庫徳間書店)〕

f:id:byuricol:20200410182025j:image

あらすじ:10年付き合った恋人に身勝手な理由で一方的にふられた売れない小説家のつぐみ。住むあてもなく途方にくれていたところ、なんでも屋の朔太郎に出会い…


なにか言葉をかけたいけれど、自分がかけたい言葉と朔太郎がほしい言葉は違うだろう
それに、たぶん、今は何を言っても届かない。そういう時が誰にもある。
ひとりでいたい。でもひとりでいるのはさびしくて誰かにそばにいてほしい時が


つぐみの職業が小説家と言う事もあり、いたるところで凪良さんと重ねてしまう。
彼女はあとがきでこう綴っている「愛する人へ一生をかけて愛を証しつづけたふたりの物語にふさわしい幸せな締めくくりだったと思います」深く共感。
誰かを愛する全ての人に読んでほしい。心からそう思える作品です〔凪良作品の中でわたくし的ベスト1.2を争う小説であります

 

f:id:byuricol:20200410182132j:image

 ※書影以外の写真は去年12月、名古屋にある素敵なアジアンカフェ「ロジウラのマタハリ」さんで行われた第1回BLプレゼン会にて、プレゼンタ―をさせて頂いた時に参加者の方にお配りする為に作った資料です。もちろんプレゼン内容は凪良ゆうさん♡なんと!1月に紀伊国屋梅田本店で行われた「わたしの美しい庭」の発売記念サイン会にてお手紙と一緒に直接この資料(=凪良さんへの熱い思い)をお渡しする事ができました!エヘ

 

 

続いては・・・凪良ゆうさんのふり幅を体験して頂きたい

初恋の嵐〔2015年11月 キャラ文庫(徳間書店)〕

f:id:byuricol:20200410181951j:image

高校から社会人になるまでの長い両片思いのお話し。
初恋をこじらせまくってるラブコメです。
読みやすい・テンポよい・切ない・笑える・キュンとする♡
しかし・・・凪良さんの引き出しどうなってんの?
同時期に出た『累る-kasaneru-』2015年10月プラチナ文庫(プランタン出版)とのギャップよ
ほんとに凄い人だわ。

補足:また木下けい子さんのイラストがほんと合ってる
BL小説はイラストがとても重要になるのです(挿絵も入ります)


凪良ゆうさんのBL小説は40作品ほどあります。
自分自身の読書記録も兼ねつつこれからも紹介して参りたいと思います。


コロナウィルスの影響もあり図らずも自宅で過ごす事が多くなりました。
こんな今こそ本を読みましょうーー
凪良ゆうさんの小説を読みましょーー♪
凪良中毒への扉を開けてお待ちしております。

 

正しいことが美しいのではなくて、正しくないことが半分以上占めている世の中で、それでも正しくあろうとするその精神が美しいのであります凪良ゆうさん2/8ツイッターより

 

 

シビレる…

 

1人でも多くの人に凪良ゆう作品を読んで欲しい。

凪良中毒へのいざない。

まだまだ続きます!(多分)